株式会社エヌケー製作所

郡山市喜久田町にて空調・集塵・搬送ダクトの設計・製作・施工・製缶・板金加工あらゆる金属のトータルな加工を行うエヌケー製作所 開発部 部長の山谷達美さんにお話をうかがいました。

──事業内容・強みについて

当社は親会社である内藤工業所の製造部門として空調ダクトや集塵ダクトの製造からスタートしました。その後、金属加工の技術を活かし製缶や板金加工などあらゆる金属の加工を行ってきましたが、2010年に開発部門を立ち上げ、産業機械の開発、設計、設置までを行える体制を整えました。

最近ではベルトコンベアやローラーコンベア、各種洗浄機や測定器の製作を行っています。

当社の強みとしては、機械設計・電気設計から金属加工、組立まで自社内で完結できるため、特定の工程だけにとどまらずご相談から最終的な機械の据え付けまで対応できることです。この対応範囲の広さから、すでにメーカー対応が難しい古い設備の更新や修理のご相談を頂く事も多いです。

──連携事例について

現在も行っている連携事例としてシーム株式会社(現:濾過精工株式会社)と連携した「精密クーラントろ過システム」の製造です。

このシステムは工作機械などで使用するクーラント(油性、あるいは水系の加工液)に混入するスラッジ(磁性体、非磁性体の切削屑)をフィルター・エレメント(立体濾紙)で捕集・除去し、クーラントの初期状態を可能な限り保持する循環式ろ過装置です。
クーラントの長寿命化を実現することでコスト削減と環境対策を両立でき、更にはご使用頂く現場において、高精度加工の安定、不良率の低下、生産性向上といった、ユーザー様が競合他社と差別化が出来る付加価値を実感頂けます。

この装置の製作にはクーラントを貯めるタンク(製缶)や遠心分離機の製作、制御基板の設計など、まさに当社の持てる技術を総動員することが必要でした。

──連携の契機について

元々はシーム株式会社が開発したろ過システムでしたが、当社グループで販売提携を結ぶにあたってこのシステムを一貫で制作できる会社として当社に白羽の矢が立った形です。

2018年にはシーム株式会社は濾過精工株式会社へ社名変更を行い当社グループの一員となりました。これにより営業、販売から製造、メンテナンスまでを当社グループ内で行えるようになりました。

──連携により得られたメリットについて

2~3ヶ月に1機のペースでこの「ろ過システム」を製作していますが、現在までに大小合わせて65機ほど納入させていただきました。

現在は開発部の売上の半分を占めるまでに成長し、今後も濾過精工株式会社と連携しより高性能のろ過システムを開発・製造できるよう取り組んでいきたいと思います。

──今後の展開について

今のところ開発部は受注生産がメインとなっていますが、やはり自社のオリジナル製品を開発することが目標です。特に多軸ロボットを利用した自動化・省力化機械の開発には興味を持っています。

日本は人口減による人手不足が進みますので、国内産業の維持のため自動化のニーズはすでに高まっています。すでにいくつか多軸ロボットを利用した製品は納入しましたが、現時点でソフトウェア部分はロボットメーカーの力を借りざるを得ません。今後はソフトウェアによる制御部分も自社でカバーできるようになれば、多軸ロボットの汎用性を活かして様々な産業・分野に進出できると考えています。

株式会社エヌケー製作所
住所 〒963-0541 郡山市喜久田町堀之内字地田東17-2
TEL 024-959-2220
FAX 024-959-2214
掲載ページ https://koriyama-monodukuri.jp/
companydetail.php?cd=046