農地所有適格法人 株式会社ベレッシュ
──事業内容・強みについて
当社は市内の横塚にてサツマイモを中心とした圃場を運営しています。グループ会社が市内八山田で運営している農産物直売所ベレッシュと密接に連携することで、お客様のニーズにお応えしながらその先にある提案型の農業を実践できることが当社の強みです。
直売所の運営を通じて市内の農家さんとも連携できますので、6次化商品の開発やいわゆるB品といわれる、今まで廃棄することが多かった商品を加工品として販売するなど、地域の農業全体の活性化や付加価値の向上に取り組んでいます。
現在は栽培したサツマイモを利用した干し芋を販売していますが。今後野菜を加工したドレッシング、麹を利用した商品やジェラートなども開発予定です。
──連携事例について
3年ほど前から市内外の就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)と連携し、農場での栽培や収穫のお手伝いをお願いしています。現在約5つの事業所と連携しています。
──連携の契機について
サツマイモの栽培は苗の生産から定植、収穫、出荷と様々な工程がありますが、少ない人数で対応できる工程もあれば、多くの人出が必要な工程もあります。最もおいしいタイミングでお客様の元へお届けするため、特に収穫時期は多くの人出が必要です。
当初は福島県授産事業振興会へ相談・紹介いただきましたが、当社は市内の養護学校へ給食用の食材を卸していることもあり、その卒業生が利用しているB型事業所とも繋がりがありました。B型事業所は利用者様が安全に意欲をもって働ける場所を求めていることもありお互いのニーズがマッチしました。
──連携により得られたメリットについて
農作物は自然のものですので必要となる労働力が時期により異なります。多くの労働力が必要となるタイミングでお手伝い頂けることは当社にとって大きなメリットです。B型事業所の利用者様はそれぞれ個性がありますが、例えば収穫したサツマイモを入れるかごは20キロ近くあります。これを軽々と運んでいただける方もいて大変助かっています。もちろん安全に作業できるよう、B型事業所職員の方と相談のうえ利用者様の体力や性格に合わせた作業をお願いしています。
今までB型事業所で受託している作業は春彼岸で利用される削り花の製作など、室内での作業が中心で中々屋外での作業は少なかったのが現状です。農業は気持ちいい青空の下での作業となるため、今までは見られなかった利用者様の明るい表情が見られるといったお話も頂きます。
当社としても栽培や収穫を通して、農業の楽しさや自分で作ったサツマイモのおいしさを感じていただき、地元農業を支える一人として活躍していただきたいと思っています。
また、この連携を初めてから特に感じているのは当社社員の成長に大きく寄与している点です。新卒社員が農作業を通じてB型事業所職員の方、そして利用者様と交流することで人とのかかわり方や仕事の進め方、安全に対する意識などを学ぶことでマネジメント能力、コミュニケーション能力が大きく向上していることが感じ取れます。そういう意味でもB型事業所様と農業を通じた連携は大変親和性の高いものだと思います。