株式会社ユニフォームネット
──貴社の連携事業「ReBaton(リバトン)」について、始めることになったきっかけをお教えください。
縁あって喜多方や会津で様々な取り組みをさせていただいているのですが、その取り組みの中で、生分解性(土に還る)プラスチックのタンブラーを作られている三義漆器店様という会社と親しくさせていただいていまして。その会社から、タンブラーを出展する展示会で社員が着るサステナブルなユニフォームが欲しいというご要望をいただいたんです。ご要望に応えられそうなユニフォームはありましたが、素材に少し不便な点があったので、使用できる素材を新たに探すことにしました。
私の師匠にあたる人物が在籍している東レ様(東レ株式会社)に「何かいい素材は無いか」とご相談させていただいて、ご紹介いただいたのが、今回お話する事業で深く連携している広島県のエコログ様(株式会社エコログ・リサイクリング・ジャパン)でした。エコログ様に優れた「部分植物由来の素材」と「ユニフォームのリサイクル素材からできたボタン」をご提供いただき、それらを組み合わせて作ったユニフォームを三義漆器店様にご提供させていただきました。
それが、この事業を始めたきっかけです。
「リサイクル」というのは、大きなロット・大きな仕組みで機能させることが大半です。SDGsで言うところの「つくる責任、つかう責任」の「つくる責任」はメーカーそれぞれが自分たちが作る部分だけリサイクルすればいいという形になってしまうので、どうしても大きな仕組みで機能するリサイクル活動は上手くやりづらい。もちろん、大手メーカーが様々な活動をされてはいますが、なかなか浸透しなかったというのが現状です。そういった現状を何とかしたい、中小企業でもリサイクル活動をしたい、というご相談を受けて考えたのが、「ReBaton」というスキームでした。
──「ReBaton(リバトン)」とは、どのような事業なのでしょうか?
使用済みユニフォームを再資源化して新たな製品を作る事業です。
先ほどお話したエコログ様と連携して実現しています。
先ほどもお話した通り、大きな仕組みで動くリサイクルという行為は、1社だけでは実現が難しい。そこで、1つのプラットフォームとしてブランドを作り、ご賛同いただいた企業を集めて1つのロットにし、そのロットで製品を作る仕組みを作ろう、と。
そして、その製品を次のお客様にご使用いただけたり、ユニフォームを着ない行政機関や会計事務所などにも取り組みとしてご協力いただけたりするブランドとしてプラットフォーム化した、という事業ですね。
──「ReBaton」を通じ、その他の企業と連携する取り組みはありますか?
プロバスケットボールチームの福島ファイヤーボンズ様(福島スポーツエンタテインメント株式会社)との連携は、代表的な取り組みです。
ファイヤーボンズというチームは10年以上にわたってプロシーンで活躍していますよね。そうなると必然的に、ファンの方が持つグッズも年々その量が増えてきます。ファンの皆様からすれば、整理したいけれど、捨てるのも忍びない......。そこで、「ReBaton」のスキームを使い、そのグッズたちの「出口」を作ることにしたんです。
会場へファンの皆様へ整理したいグッズをお持ちいただいて、当社で回収。その後、回収したグッズを再資源化して軍手に。さらにその軍手を使い、チームの選手とファンの皆様でのゴミ拾いワークショップを実施しました。
リサイクル品を作り、さらにその製品で環境美化活動まで行えた連携事例ですね。
その他、郡山市にある三部会計事務所様(税理士法人三部会計事務所)という事務所とも連携して、「ReBaton」の取り組みを推進しています。
会計事務所は、ユニフォームを使用する企業をクライアントに抱えていますよね。そのクライアントに対し、例えばSDGsの取り組みを支援したいと考えた時、具体的な取り組みを挙げられない、支援しづらいという現状があるようでして。
そこで、具体的な取り組み案として「ReBaton」を有益な情報としてご紹介いただくような連携(提携)を行うことになりました。「ReBaton」は説明しやすいスキームになっているので、情報共有という形ですね。
──連携事業を行ってみて、よかったことは何ですか?
当社は、ユニフォームというコンテンツでお客様である企業をよりよくするということをミッションに活動しています。
ユニフォームをリサイクルに出して、「ReBaton」で作った軍手を使った時に、「軍手のココが私たちの制服だ!」と気付いていただけた瞬間。その瞬間こそが、身近であって身近になりづらい「リサイクル」を肌で感じられる瞬間だと思うんです。
そうしてお客様に喜んでいただけたり、当社のアイディアや企画がお客様のためになる瞬間に、この連携事業をやっていてよかったと感じますね。