プラウコーヒーロースター

須賀川市にてコーヒー豆の販売をメインに行う「Pulau Coffee Roaster(プラウコーヒーロースター)」。焙煎所とコーヒースタンドを兼ねたスタイルで営業しており、コーヒーの提供はもちろん、簡単に自宅でコーヒーが楽しめるドリップバッグや市内外の業者と連携して開発したコーヒー甘酒やコーヒーゼリーも販売しています。「利用しやすい料金体系で、老若男女どなたでも気軽にコーヒーを楽しんでいただきたい」と話すのは、オーナーの島裕康さん。
近年、さらなる人気の高まりをみせる「コーヒー」という商材をメインとした連携について、島さんにお話を伺いました。

――プラウコーヒーロースターについて、開店経緯やお店のコンセプトをお教えください。

前職を辞める際に、次に何をしようか考えたとき、趣味であるコーヒー豆の焙煎を商売としてやってみようと考え、自分で焙煎したコーヒー豆をオンラインショップで売ることからスタートしました。より焙煎に適した環境を求め妻の地元である須賀川市に神奈川から移住をし、2023年の5月に実店舗をオープンしました。
店名の冠である「プラウ(PULAU)」というのは、母親の出身であるインドネシア語で「島」を意味する言葉です。自分の名字、母親の出身国の言葉であること、そして店でもインドネシア産のコーヒー豆を多く取り扱っているということもあり、この言葉を冠につけました。

当店で取り扱うのは、「スペシャルティコーヒー」というランクのコーヒー豆です。一般的に出回っているコーヒーは「コモディティコーヒー」というのですが、スペシャルティは、単に高品質なだけでなく、生産から消費に至るすべての段階で厳正な管理が行き届いたコーヒーのことで、コーヒー豆が持つ風味特性を楽しむことができます。コーヒーが好きな方はたくさんいらっしゃいますが、味の好みは様々で、コーヒーに使える金額も様々です。当店では、気軽にコーヒーを楽しめる価格にすることはもちろん、フルーティな味わいが楽しめる浅煎り・マイルドな味わいの中深煎り・ビターでコクのある深煎りとご用意し、様々な好みに対応できるようにしています。その他、当店では地元企業と共同で開発した「珈琲甘酒」や「珈琲ゼリー」も取り扱っています。

――「珈琲甘酒」と「珈琲ゼリー」の開発では、どのような連携をされたのでしょうか。

時系列順にお話しますと、最初に手掛けた連携商品は「珈琲甘酒」です。この商品は、白河市の「山口こうじ店」様と共同で開発しました。
白河市で色々な甘酒を取り扱っている面白い麹屋さんがあると話を聞き、行ってみたんです。専務とお会いでき、話をするうちに、コーヒー豆を使用した甘酒を作れると教えていただきました。それが、当店をオープンするちょうど1ヶ月前だったので、店舗に新しい商品として入れてみるのも面白いと思い、OEMの打診をさせていただきました。
当店で焙煎した豆を使い、山口こうじ店様で甘酒を製造、商品のロゴデザインはプラウコーヒーロースターのロゴを制作いただいているデザイナーにお願いをし、2ヶ月ほどで商品化に成功しました。

特殊な製法を用いているようで、甘酒にコーヒー豆の液体を混ぜるのではなく、原材料のコーヒー豆・米麹・米を一緒に発酵させることで、コーヒー豆の風味をたくさん取り出しているそうです。米も一緒に発酵させることで、甘酒としての甘みを確保しているようですね。糖度は17度なのですがこれを16度にしてしまうとサラサラしすぎてしまったり、逆に18度だととろみが強すぎたりするので、試行錯誤しながら現在の糖度17度に落ち着きました。
開発当初は色がもう少し白かったのですが、コーヒーらしさを出すために、発酵段階での抽出方法を変えて甘酒の色味を茶色寄りに改良しています。ご担当の山口専務はとても柔軟な方なので、色々な試行錯誤を一緒にやってくださって、ありがたかったです。

次に開発した「珈琲ゼリー」は、須賀川市内のパティスリー「Patisserie La Bon Belle(パティスリー ラ ボンベル)」様の横田パティシエと共同で開発しました。横田さんがお店に来ていただいたことがきっかけで、一緒に色々やりましょうという話をする中で、このゼリーの開発をすることになりまして、話を進めていきました。
浅煎り・深煎り両方の味が楽しめるよう、商品としては浅煎りバージョンと深煎りバージョンの2種類をご用意することにし、開発をスタート。まずは当店で簡単な試作品を作り、横田さんと一緒に味見をしながら、適切な豆を選定していきました。
商品としての大枠が決まった後は、横田さんが1回で手作りできる量を模索し、パッケージは甘酒と同様のデザイナーにお願いをし、商品として完成させました。
完成したものの、やはり商品のアップデートは必要だと思っているので、改善できることは無いか日々模索しています。例えば今、浅煎りのゼリーにはエチオピア産の豆を使用しているのですが、もしかすると今年は違う豆を使用して新たなレシピで作っているかもしれませんね。

ちなみに、ラ ボンベル様で提供されているティラミスには、当店で焙煎したコーヒー豆を使用しているので、これも連携の形の一つだと思います。

――他に取り組まれている連携はありますか?

矢吹町と本宮市に店舗のあるベイクショップ「Happy Berry(ハッピーベリー)」様、キッチンカーでコーヒー等の移動販売をされている「Kapono(カポノ)」様に、当店で焙煎したコーヒー豆をお使いいただいています。

ハッピーベリー様には、ホットコーヒーやラテ、アフォガードにかけるエスプレッソでコーヒー豆を使用してもらっている他に、ドリップバッグコーヒーも扱っていただいています。

カポノ様はキッチンカーで移動しながら販売していて、当店のコーヒー豆を使用してコーヒーを提供くださっています。

須賀川市に来てから、色々な方と知り合えて、こうして様々な形で連携させていただけるのは大変ありがたいと感じています。

――連携事業の今後の展望、新たに行いたい連携はありますか?

焙煎機を貸したり共有する「シェアロースター」という考え方がありまして、焙煎に興味がある事業者やカフェの開業を考えている方に当店の焙煎機をお貸しし、焙煎もお教えできるような、そんな取り組みを広げていきたいです。
今も焙煎を教えているのですが、今年以降はさらに取り組みとして広げられればよいと考えています。焙煎をやってみたいと潜在的に考えている方は多いと思うのですが、機械を揃えるのが大変だったりするので、そこを当店の間借りなどの形でカバーできればよいですね。
豆を仕入れて焙煎する、そしてその豆を販売するという一連の流れは、私自身が実際にやってきたことなので、教えることができます。そういった経験を潜在的に興味がある方にどんどん広めていきたいので、シェアロースターの告知をもっと活発にしていきたいですね。

プラウコーヒーロースター
住所 〒962-0818 須賀川市和田道5-11
E-Mail pulaucoffeeroaster@gmail.com
掲載ページ https://koriyama-monodukuri.jp/
companydetail.php?cd=286